おすすめ第10弾!
『個性を捨てろ! 型にはまれ! 』(三田紀房)
「個性とは何たるか」
その答えの一つとして参考になるはず。
もちろん、ここに書かれていることが正しいとか正しくないとかという話ではない。
それぞれに思うところ、感じるところがあるだろうし、この話に正解はない。
単なる言葉の定義の仕方、その問題に過ぎない。
過激な言い回しが多い内容だが、言われてみれば確かにそうかもしれないと思うものも多い。
個性という言葉が独り歩きをして、それぞれが自分にとって都合のいい解釈をしている。
そこに一石を投じてくれるのが、この本だ。
“「個性なんかいらない」「型にはまってこそ、成功できる」”
“むしろ才能がないヤツほど、自分の「秘められた才能」を信じている”
“少なくとも社会はあなたの「オンリーワン」など求めていない”
“いま「夢を探している」「やりたいことを探している」「本当の自分を探している」という人は、もうその時点で人生を間違っていると思ったほうがいい”
などなど。
タイトル通り、
個性を捨てるに値する理由、型にはまるに値する根拠を様々な角度から提示してくれる。
例え話もわかりやすく、頭に入ってきやすい。
個性を探しているけど見つからない。
型にはめられるのは抵抗がある。
そんな人にぜひ本書をおすすめしたい。
“世の中には、成功するための『型』がある”
“『型』があってこそ、「型破り」になれる”
本書の中でも繰り返し出てくる「型」についての言及は一考の価値がある。
これはおそらくすべての物事に共通するものではないだろうか。
勉強、スポーツ、対人関係。
すべてにおいて、ゼロから自分一人で考えていくのは至難の業だ。
先人たちが遺してくれた「型」があればこそ、
私たちは日々、種々の問題に立ち向かうことができる。
普段、わざわざ意識をしていないだけで、私たちの生活は様々な「型」で溢れている。
挨拶の仕方、お箸の持ち方、学校の勉強、などなど。。。
“本当の個性とは、他人と同じことをやっていく中でこそ、明らかになってくるものなのだ”
これは本当にそうだと思う。
が、しかし、何かと言うと、「丸ごと個性論」を振りかざすのが世の流れのように感じる。
個性を大事にしよう、という意見に異論があるわけはない。
ただ、何でもかんでも「個性」という言葉を盾にして、正当化しようとするのはいただけない。
近頃はとかく、木を見て森を見ずの発想が蔓延っているように感じるのは私だけだろうか。
始めからオリジナリティなどありえない。
日本でも古来より言われている「守破離」の考え方。
「守り尽くして破るとも離るるとても本を忘るな」
要は型を身に着けて初めて、次のステップとしてのオリジナリティがあるわけで。
そもそも、
「個性」や「自由」といった言葉の意味を安易に捉えている人が多いように感じる。
「個性」や「自由」なんてものは、
枠があってこそ、その中にのみ存在し得るものだと思っている。
つまり、「人とちがうこと」や「何でも好きにできること」は本当の意味での個性や自由とはちがうのではなかろうか。
あなたがいろいろな考え方を知り、視野を広げる手助けになりますように・・・。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
それでは今日はこの辺で。