【28冊目】『まっくろ』

「みんなのこころにうかんだことをかいてみましょう」と先生が言うと、ひとりだけ画用紙を真っ黒にしはじめた男の子。
大人たちも友達もみんなが心配顔をする中、何枚も何日も画用紙を黒く塗りつぶし続ける男の子。
男の子はなぜ真っ黒にし続けるのか…?男の子の心に浮かんだものとは?

この本の元になっているのは2002年に放送されたACジャパンのCMです。
世界で数々の賞を取ったこのCMが『ごんぎつね』や「ころわん」シリーズで知られる黒井健さんにより絵本化。
CMではシリアスな印象が強くありましたが、こちらの絵本は温かい印象になっています。

黒井さんは「まっくろだけどだけどやわらかい。」を出すために、様々な画材を片っ端から試したそうです。
これまでの黒井さんの絵本とは異なる印象を受けますが、他の絵本と同様、優しく温かな1冊となっています。

子どもの想像力、発想力は無限大。
大人は枠から外れるとどうしても心配になり、ストップをかけてしまいがちですが、子どもの世界を広げることのできる、見守れる大人になりたいと改めて感じました。(実際は中々難しいのですが…)