【77冊目】『世界はこんなに美しい アンヌとバイクの20,000キロ』

文章を書きたい。いろんな場所へ行ってみたい。世界じゅうを旅したい。未知の場所へ。

約50年前、アンヌ=フランス・ドートヴィルという女性がバイクで世界一周を果たしました。
パリから出発し、カナダ、アラスカ、日本、インド、パキスタン、アフガニスタン、イラン、トルコ、ブルガリア、ユーゴスラビア、ハンガリー、オーストラリア、ドイツ。3大陸を移動した距離は20,000kmを超えたそうです。

そんなアンヌ=フランスから着想を得て、作られたのがこちらの絵本です。

最初、絵に魅かれてこの本を手に取りました。
1つ1つの風景が丁寧に、鮮やかかつ独特の色彩で描かれており、写真ではないのに、光と影を感じ、世界の美しさや壮大さに涙が出そうになりました。

1人の女性の旅をその国の風景や人々と共に記録していったようなストーリーで、おもしろいのは持ち物や火のおこしかたまで細かく書かれているところ。
今ほど女性が社会で活躍していなかった時代に、女性1人で新しいことに挑戦するというのはとても勇気のいったことでしょう。
だからこそ、それを成し遂げたとき、彼女は世界の女性に大きな衝撃と勇気を与えたに違いありません。

行きなさい

という道のこえが聞こえる人はどれくらいいるのでしょう。そのこえに従える人はどれだけいるのでしょう。

あたしが感じた彼女の魅力はその勇気と行動力、自由さ、そして何といっても彼女から感じる格好良さ。
旅の持ち物におしゃれな白いドレスを入れるところも、夜の川に浮かんでみる自由さも、人々と分け隔てなく接することができ、自然と優しさを受け取れるところも、全てが格好良く、羨ましく思えたのです。

彼女が美しいから、世界は美しく、人々もよいものだったのかもしれません。

彼女のように美しい世界を感じたい。世界も人もよいものだと感じられる生き方をしたい。そう思わせてくれる1冊です。

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