【78冊目】『いろってなあに?』

いろは,におわないし,あじも しない.
きこえも しないし,ふれても わからない.

この絵本は著者であるプロベンセン夫妻が幼い娘に「色」を伝えるためにつくった絵本だそうです。

「いろってなあに?」と聞かれたら…確かに、何と答えればいいのだろう?と思ってこの本を手に取りました。
家にあった国語辞典で調べてみると…

いろ【色】①物に当たって反射した光の刺激によって感じる知覚の一つ。②外から見てとらえられる感じ。

 
う~ん…、いまいちピンときませんね。
プロベンセン夫妻はどのように娘さんに伝えたのでしょう?

きいろ、むらさき、あお、あか…それぞれのページに文章と並んでたくさんの絵が描かれています。
文字のページなのに見ているだけでもおもしろくて、素敵。
次のページにはその色をこれでもかと使ったダイナミックな絵。
その色の持つ温かさや冷たさなどの雰囲気も感じ、まだ色の名前を知らない小さな子どもたちにもイメージしやすくなっています。

文字の間にちょこちょこっと入っている絵も、文字のフォントも、文章も、言葉のリズムもどれもがとてもやさしく、語りかけてくれます。
読み終わったときには、世界に色があることのすばらしさを改めて感じることができました。

色とは何かを伝えると同時に、世界の美しさを教えてくれる、そんな1冊です。

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