【80冊目】『かべのむこうになにがある?』

大きな壁がありました。
壁の中に住む動物たちは壁がどこまでつづいているのか、いつどうやって作られたのか、誰も知りません。
気にするものさえいませんでした。知りたがりのねずみ以外は。
他の動物たちが「壁は私たちを守ってくれている」「難しいことは考えるな」などと言ってもねずみだけは疑問を持つことをやめませんでした。

気にしなければ気にならない。
私たちの周りにはもしかするとそんなもので溢れているのかもしれません。
何よりもまずは当たり前を当たり前と思わず疑問を持つことが大切。
疑問を持ったら、あとは一歩踏み出すだけ!
そんな勇気を教えてくれる1冊です。

可愛いイラストとそれほど長くない文章なので子どもでも読みやすいお話ですが、まるで今の世の中を映しているようで、大人の心の方がくるものがあるかもしれません。

ただ、

ほんとうのものをみるゆうきがあればかべはきえる

この一文だけは、子どもたちの心にも残ってほしい。そう思わずにはいられません。

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