おすすめ第12弾!
『つみきのいえ』(絵・加藤久仁生、文・平田研也)



ひとつ、ふたつ、みっつ、、、
上へ、上へと積み重なってゆくつみき。

不揃いなそれと同じように私たちも毎日を積み重ねているのだろう。

絵の色使いがとても好きだ。
やさしさとぬくもりが伝わってくる。

おじいさんは何を思い、何のために積み重ねてゆくのだろうか。

ストーリーはわかりやすく、読みやすい。
漢字が一つも出てこないので、子どもたちと一緒に声に出して読んでみるのもおもしろい。

今までの自分に自信がない。
この道がどこに続いているのか不安だ。
そんな人にぜひ本書をおすすめしたい。

振り返ってみることで、自分の現在地を確かめることができる。
そこに確かな手触りがないとしても

だれだって過去にしがみついたり、こだわりすぎたりすることもあるだろう。
でもね、それは人の性。そこから踏み出せるかどうかが大切なわけで。

逆に今まで積み重ねてきたものなんてなんにもないと言う人もいるだろう。
でもね、そんなことはない。必ず、その跡は残っているわけで。

今までの歩みを振り返ることは決して無駄ではない。
その中から気付くこと、学ぶことがきっとあるはず。

「少し」「止まる」と書いて「歩く」

どんな道を歩んできたのか。

それは人それぞれだ。
一本道もあるだろう。
曲がりくねった道もあるだろう。
平坦な道も、上がったり下がったりの坂道もあるだろう。

みんなそれぞれ、いろいろなことを抱えながら生きている
子どもは子どもなりに、大人も大人なりに考えさせられる一冊。

過去を変えることなんてできないが、今の自分を形作っているのは、間違いなく過去の堆積。

すべての過去が今の自分に連なって、今の自分が未来の自分に繋がっていく。

変わらないものなんてない。
すべてが移ろい、流れていく。

もし、変わらないものがあるのだとしたら、きっとそれは、目に見えないものなんだろう。

あなたが少し立ち止まり、
今までの道程を振り返ることで新しい気付きや学びが訪れますように。。。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
それでは今日はこの辺で。