【15冊目】『つみきのいえ』

海の水がだんだん上がってきてしまうまちで、積み木のように家を積み上げながら、たった一人で暮らしているおじいさん。
ある日、落とし物を探しに海へ潜っていきます。
するとそこにあったのは…。

こちらは2008年に公開され、世界中で数々の賞を獲得した短編アニメーション映画「つみきのいえ」を、その監督と脚本家が書き下ろし絵本化したものです。

私は絵本を読んで初めて涙が出ました。
文も絵も、本当に優しくて温かい。
おじいさんの人生はごく平凡。だけどそこに幸せがたくさん詰まっているというのがしっかりと伝わってきます。

家を積み木のように積み上げていく世界観は子どもにも面白く、想像力を掻き立てられるのではないでしょうか。
ですが、この1冊は毎日刺激的に過ごす子どもたち以上に、繰り返しの日々をおくる大人たちに読んでほしい。
是非、この優しさに触れ、ほっと一息ついて、平凡である幸せを感じてみてください。
映画を見た方も映画とはまた一味違う、絵本ならではの温かさを感じられると思います。

「いま」はいつか大切な思い出になるのだから、大切に「いま」を積み重ねていきたいものですね。