おすすめ第9弾!
『それでもなお、人を愛しなさい』(ケント・M・キース著、大内博訳)

逆説の十カ条

この内容を教えてくれたのは、母だった。
もうずいぶん前のことなので、はっきりとは覚えていないが、
確か、中学生くらいの頃だったように記憶している。
この十カ条をコピーしたものをくれた。

当時は、「いろいろな考え方があるんやなー」程度にしか感じていなかった。

時が流れて、大人になったある日、ふとした拍子に逆説の十カ条のことを思い出した。
母が教えてくれたのは、十カ条そのものだけ。
「だれが」「どんな」思いでこの十カ条を記したのか、興味が湧いてきた。

そのときに、手に取ったのがこの本。
本書の中には、実に示唆に富む内容が溢れている。

いつも頑張っているのに認められない。
どんなに努力をしていても報われない。
そんな思いを胸に抱えた人にぜひ本書をおすすめしたい。

繰り返し述べられているのは、
他人が、周りがどうだろうと自分の信じるところにおいて行動すること。

“正しいこと、良いこと、真実であることを実践すれば、その行動自体に価値がある。”

気付けばつい、自分以外の何かと比べてしまうのが世の常で。
しかし、そんなことに一体どれほどの意味があるのだろう。

だれかが見ていなくても、
なにかが関わっていなくても、
わかっているのは自分だけで十分だ。

“何年もかけて築いたものが一夜にして崩れ去るかもしれない。
それでもなお、築き上げなさい。”

この十カ条で一番好きなやつだ。
結果や成果ばかりに目を奪われがちな世の中で、この言葉は胸に沁みた。
もちろん結果や成果は重要なわけで。それらを否定するつもりはないんです。
ただね、それだけじゃないと最近よく思うのです。

例えば、だれかにプレゼントをしたとする。
「喜んでくれるかな?」「気に入ってくれるかな?」
ついつい、相手の反応を気にしすぎていないだろうか?
きっと、それは大した問題でもなくて、それほど大事でもない。
その人のためにあなたがプレゼントを選んだ時間やそのときの気持ち。
それが本当は大切なんだと。

生きていく上で物事の考え方っていうのは人生の羅針盤のようなもので。
「どこに到着するのか?」よりも「どこを目指しているのか?」
そこのところを見失わずにいきたい。

起こる出来事の表面だけに惑わされず、その裏側にある本質を慮れるように

そして、

あなたが少しでも多くの人を愛するきっかけになりますように・・・

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
それでは今日はこの辺で。