【38冊目】『やさしさとおもいやり』

300年前からそこにある赤い実の木。
その木は赤い実を恐竜たちがおいしそうに食べるのを見るのが幸せでした。
だけど、ある日、ゴルゴサウルスとティラノサウルスが木の前でけんかを始めてしまいます。
そんな時、隣の山が大噴火を起こし…。

分かり合えないと思っていたゴルゴサウルスとティラノサウルス。
だけど、極限の状況に置かれたとき、互いを助け合い、思いやる、かけがえのない存在に。
さらに、その思いやりと優しさは自分たちを助けてくれた赤い実の木にも向けられます。

自分が相手を思いやることができれば、相手もまた優しさを返してくれる。
優しさは連鎖する。その優しさは時に強い力を生み出すことができる。
最後まで心温まる感動の1冊です。
それが、宮西さんのユニークでチャーミングな絵で描かれているところがさらに癖になって何度も読みたくなるポイントだと思います。

子どもたちにもこんな思いやれる友達をつくってほしいな。