【41冊目】『わすれられないおくりもの』

賢くて、みんなに頼られているアナグマ。
困っている友達は誰でも助けてあげるし、知らないことはないというぐらい物知りでした。
そして、自分が死ぬのがそう遠くないことも知っていました。

そんなアナグマが死んでしまいます。
友達はみんな、悲しみ、どうしたらいいのか分からなくなりました。
だけど、アナグマは一人一人に素敵なおくりものを残してくれていたのです…。

大切な誰かを失ったとき、その悲しみは途方もないもので、完全になくなることはないでしょう。
だけど、その誰かを大切に思っていた気持ちが大きければ大きいほど、たくさんの素敵なおくりものを残してくれているはずです。
与えられた知恵や思い出や愛はみんなの心に残り、さらにその思い出を語らうほどに、また大きく温かく豊かになっていくのかもしれません。

誰もがいつか必ず直面する“死”、それとどのように向き合うのか。
死を通して、生きる意味や命の尊さを温かく、優しく教えてくれます。

小さな子どもたちには少し難しいかもしれません。
我が家の子たちもどう感じているのかわかりませんが、たまに「読んで」と持ってきては、読み終わるまで静かに聞いています。
大人になっても読みたいし、読んでもらいたい1冊です。